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第4回 関西安全保障セミナー2011

 平和・安全保障研究所は、関西方面における安全保障関連の活動推進の為、2008年より「関西安全保障セミナー」を開催している。第4回目となる今年は、国際交流基金日米センター(CGP)の後援を受け、大阪大学大学院国際公共政策研究科と同志社大学アメリカ研究所との共催で11月18日(金)に大阪大学中之島センターにて開催した。当日は、大学、企業、防衛省などから100名を超える参加があった。

 セミナーの第1部では、番匠幸一郎氏(陸将/陸上自衛隊第3師団長)による「東日本大震災の教訓と日本の防衛」と題した基調講演が行われた。第2部では「日米同盟の展望」について、当研究所の安全保障研究奨学プログラム第7期生である星野俊也氏(大阪大学教授)の司会で、村田晃嗣氏(同志社大学教授/同プログラム第4期生)、平岩俊司氏(関西学院大学教授/同プログラム4期生)、松村昌廣氏(桃山学院大学教授/同プログラム第6期生)、益尾知佐子氏(九州大学准教授/同プログラム14期生)によるパネルディスカッションが行われた。

 第1部で、番匠陸将は、東日本大震災における自衛隊と米軍とのトモダチ作戦、台風12号災害への対応と我が国の防衛と今後の方向性について講演した。番匠陸将は、東日本大震災で自衛隊が過去最大の10万人の人員を投入して地震・津波災害と原子力災害の二正面作戦を展開したことに触れた。さらに日米のトモダチ作戦を通じて、日米同盟の重要性を強調した。また自衛隊の課題として、我が国の有事を想定したハード・ソフト両面の充実が必要であると説明した。続いて、台風12号災害支援活動について、平素からの準備、現場力やリーダーシップの重要性を指摘し、こうした災害支援活動が最終的に我が国の防衛に繋がると述べた。さらに防衛大綱の内容に基づく日米の協力や太平洋重視、南西地域の防衛などを推進する必要性を指摘した。

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 第2部のパネルディスカッションに於いて村田氏は、中国と米国の展望について述べ、短期的には中国が経済発展などを背景に台頭するが、長期的には人口増加の観点から米国が盛り返すだろうと指摘した。松村氏は米国の深刻な財政状況を強調した。さらに、アメリカのジャパン・ハンドの影響力の低下やオフショアバランス戦略についても触れた。益尾氏は中国をめぐる国際関係について報告した。中国と日本の対立項目はこの10年で歴史問題などの抽象的なものから東シナ海などの具体的な問題に変化した。平岩氏は朝鮮半島と日米同盟について報告し、北朝鮮問題は単独解決が困難であると述べた。北朝鮮問題に対処する上で、日米は韓国の動きに注視すべきと指摘した。

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 パネルディスカッションの後、会場より多くのコメントと質問が寄せられ、議論が活発に行われた。議論の中で、アメリカの今後の国際戦略やオフショアバランス、TPP、災害支援活動における自衛隊とボランティアの連携など幅広いトピックについて触れられた。

 セミナーの後の懇親会も盛大に行われ、関係者と参加者との間での交流も深まった。懇親会の出席者数も多く、関西での安全保障問題への関心の高さを伺わせるものであった。

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参 考 情 報

第4回 関西安全保障セミナー 2011

[共催]一般財団法人 平和・安全保障研究所 / 大阪大学大学院 国際公共政策研究科 / 同志社大学 アメリカ研究所
[後援]独立行政法人 国際交流基金 日米センター

<基本要領>
【日時】2011年11月18日(金)
【会場】大阪大学中之島センター10階 佐治敬三メモリアルホール
【会費】無料

<懇親会>
【時間】17:30~19:30
【場所】大阪大学 中之島センター9階 交流サロン

セミナー詳細

<基調講演>
 番匠 幸一郎 氏(陸将 / 陸上自衛隊第3師団長)
 「東日本大震災の教訓と日本の防衛」

<パネル討論:日米同盟の展望>(司会:星野 俊也 氏 / 大阪大学大学院 教授)
  〇村田 晃嗣 氏(同志社大学 教授)
  〇平岩 俊司 氏(関西学院大学 教授)
  〇松村 昌廣 氏(桃山学院大学 教授)
  〇益尾 知佐子 氏(九州大学 准教授)